2009-09-18

絵本勉強会

東山社会教育館において、毎月1回行われている絵本勉強会(講師:向井惇子
先生)に参加しています。

9月の題材はベラB.ウイリアムズの3冊でした。
                   
           
  かあさんのいす   ほんとにほんとにほしいもの  うたいましょう おどりましょう
この三冊はつながったお話ですが、もちろん一冊ずつ楽しめるように描かれています。
一冊目の「かあさんのいす」で登場する家族の背景がまず語られます。
おばあさん、おかあさん、わたしの女ばかり三人家族。
貧しいながらもつつましく暮らす三人の共通の願いは、大きなソファを買うこと。
昼間はおばあさんが座って、繕い物をしたり、近所の人とおしゃべりしたり。
夜は疲れて帰ってくるおかあさんが、ゆっくり休めるように。
大きなガラス瓶いっぱいに小銭がたまったら、町に買いに行くのです。
火事で焼け出されたという悲惨な過去もさらりと描かれ、全体に明るく前向きな
印象を与えます。
近所の人たちとのふれあい、家族を想いあい、いたわりあう心。
倹約してもなかなかたまらない貯金。それでも暗くならずに自分たちに出来る
ことを当たり前にしていく強さ。
金銭感覚や、ご近所づきあいなど現代の日本では忘れがちな、しかし生きるうえで
大切なことが過不足なく描かれた絵本です。

その続編にあたる「ほんとにほんとにほしいもの」。
わたしの誕生日を前にして、またガラス瓶にお金が貯まってきました。
なんでも好きなもの、でもほんとに欲しいものを買ってもらえる・・・
彼女が選ぶのはなんでしょうか。
ほんとに欲しいものとは何でしょうか。この問いを真面目に真剣に、「わたし」は考えます。
欲しいものはたくさんある。でも、その中で「ほんとにほしいもの」とは?
「わたし」の選んだものに読者も納得するでしょう。
そして、3冊目は「うたいましょう おどりましょう」。
前作で選んだ誕生日プレゼントのアコーディオンを練習する
「わたし」とバンドを組む友達の日常が描かれます。
子どもが家族のために何ができるのかを一生懸命考え、
そして周囲の大人に見守られながら、ひとつ階段を上っていく。
理想的なこどもの成長が描かれます。
3冊を続けて読むとかなりの分量ですが、小学生くらいならば十分
この作品の奥にあるものも読み取ってくれるでしょう。
もちろん、幼児に読み聞かせても、十分理解できる文章です。
しかし、実際にお小遣いをもらったり、プレゼントに悩んだり
した経験をしてから触れると、よりいっそう物語りのメッセージを
受け取りやすいのではないでしょうか。






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